練習では減らないミスが存在する。
2024/03/27
一般的に『ミスは訓練によって減らす事ができる』とされていますが、同じ様なミスを繰り返すなど、選手のミスパターンに一貫性がある場合、その原因は訓練の不足ではなく、身体的構造上の問題である事が非常に多いです。
そして、全ての選手には生まれ持った身体の都合上、多くの訓練を積んでも習得が困難となるスキルというものが存在します。
今回はそのことについて。
本田圭佑選手をモデルにミスを解剖
“練習では減らないミス”の例として、本田圭佑選手を例にとって解説します。
本田圭佑選手のボールロストシーンを分析すると、ロストシーンのほとんどは膝を内側に畳む‘‘股関節の内旋運動’’を伴うプレーでのみ発生している事が解ります。
以下の動画はパチューカ時代の本田選手のボールロストシーンを集めたものになりますが、フェンロー時代のものと比較すると、股関節の内旋可動の質がかなり低下している事がわかります。
www.youtube.com(インサイドの切り返しを司る股関節の内旋運動)
以前との比較によって現在では苦手となった股関節の内旋動作も、以前は非常にスムーズに可動していた事が解るため、
以前は出来ていた動作を取り戻すだけで、本田選手のボールロストシーンの大部分は、実は肉体改造によって改善する事が出来るのです。
繰り返すミスには必ず身体の構造に問題がある
この様に、選手の苦手とするプレーや、ミスのパターンを分析して個別に対策すれば、とてつもなく効率的に選手のミスを減らす事ができるものの、
『苦手なプレーをひたすらに練習する』といったボールを用いた動作訓練ばかりに目がいってしまえば、
‘‘訓練を重ねても一定以上改善されなくなる’’
という壁に必ずぶつかる事になります。
重要ことは頻発するミスに対し、訓練の不足が生み出しているのか、そもそも身体の構造に問題があるのか、しっかりと見極めた上で改善計画を立てる事。
“身体の構造上、練習では減らせないミスが誰にでも存在する“
こういった視点を持つだけで、選手の弱点はより効率的に改善して行く事が可能になるのです。