なぜ、ベテランはオフェンスの能力が先に衰えるのか?
2023/12/25
30代を迎えると、サッカー選手の多くは周囲から『以前よりも衰えた』という評価を与えられ始める訳ですが、具体的な『衰え』としてはディフェンスに関わる能力よりも、ドリブルを中心とした“オフェンス能力”がまず先に衰え始める場合が多いです。
もちろん、自分自身で衰えを防ぐための自主トレを行なっていない選手であれば、30代半ばに差し掛かると攻守に関係なく全ての能力がみるみる低下していくものですが、
例えばC.Ronaldo 、長友佑都選手と言った様な、日頃から自主的にトレーニングを行うことで有名な選手であっても、オフェンス能力に関してはパフォーマンスの低下は防げないということは誰の目にも明らかでしょう。
なぜ、日頃からトレーニングを欠かさない自己への規律ある選手達でも、オフェンス能力の衰えに抗うことはできないのか?
それは、
現代のプロ選手が取り入れているフィジカルトレーニングは、ほぼ全てがオフザボール時のパフォーマンスを上げるものでしかないから。
というのが私の回答となります。
世界中のサッカートレーナーは、『柔軟性』と『パワー』に関しての知識しか持っていない。
オフザボール時のパフォーマンスを上げるものでしか無いと言いましたが、それは、サッカーに携わるトレーナーやフィジカルコーチが、関節の可動性を司る筋肉の柔軟性、そして出力に関わる『筋力』の視点からしかトレーニングを考えることができないからというのがあります。
確かに、筋肉の柔軟性とパワーがオンザボールの質にも重要な役割を持つことは間違いはありませんが、オンザボールの質に最も関わりの深い身体的要素は、このブログでも度々書いているように、
選手の身体がそれを決定します。
身体のサイズではなく身体の形状、それは『骨の組まれ方』と言っても良いですが、そもそもスポーツ界に身体の形という視点からパフォーマンスを考える学問は恐らく存在していません。そのため、トレーニングの量や強度を高めて90分走り切る体力や走力は維持できても、身体の形状が司るドリブルやシュートと言ったオンザボールスキルは、如何なるフィジカルコーチの下で訓練を積んでも、その衰えを止めることができないのです。
ヒントは全盛期の『写真』にある
オフェンス能力低下が著しいベテランほど、全盛期と比較し身体の形に大きな変化が存在しています。全盛期の身体の形状と現在ものを食い入る様に観察し比較することで、そのヒントを得る事ができます。
【ヒントは身体の形状】
身体の形状がオンザボールにどの様な影響を及ぼすのか?詳細はパスワードをお渡しした方向けのページに記載していますが、
その答絵の全てを知らなくとも、『パフォーマンスが衰えた』と感じる選手の方であれば、とにかくまず全盛期の自分の映像や画像を分析し、どのように身体の形状が変化したのか?
徹底的に観察し、その違いをはっきり突き止めることが重要です。
その違いを突き止めることができれば、再び全盛期の形状を、つまりパフォーマンスを取り戻り戻すためのトレーニングを考え始めることができます。
選手のプレースタイルは訓練ではなく、身体の形状が最も大きく影響する。
フィジカルテストのスコアを上げるのではなく、身体の形状に着目しトレーニングを検討することによって、全盛期のオンザボールは取り戻されるのです。