ウサインボルトはサッカーの才能にも優れている。しかし大勢はしないと予想
2023/12/26
オーストラリアのセントラルコーストに練習生として参加しているウサインボルト。
今、サッカー界では『ボルトにサッカーの才能はあるのか?』という議論があちこちで行われていますが、現在ネット上に出ている動画を見る限り、ボルトは非常にサッカーに優れた身体を持っていると確信します。
もちろん、単に『足が速い』というのもわかりやすい指標にはなりますが、私が『ボルトはサッカーに向いている』と確信する理由の多くは別のところにあります。今回はそこを一つ一つ解説していきます。
🔴【ボルトの才能1】ゴールパフォーマンスでわかる肩甲骨の柔軟性。
まずはこの写真。テスト生として初ゴールを決めた際のゴールパフォーマンス。
一見、単に両腕を広げている様にしか見えませんが、肩甲骨の回転によって肩の根元から腕を持ち上げています。これは肩甲骨周辺の筋肉の柔軟性が非常に高い証拠です。
(後ろにも良く上がる)
これは元ブラジル代表のロナウドが持つ身体と同じであり、360度あらゆる方向へ腕を自由に動かす事ができるため、接触プレーでの戦闘に優れます。
相手を真後ろに押しのけることができるだけでなく、腕で相手をブロックしてもその振動が体幹部まで伝わりにくい。よって、激しいプレッシャーを受けながらでも容易に加速やターンを行う事ができます。
(ロナウドフェノーメの腕)
🔴【ボルトの才能2】プレーの幅を作る股関節の外旋動作
次に注目するのは、彼の股関節の外旋可動域です。要は足を伸ばした状態でどれだけつま先を外に向けられるのか?という能力になるわけですが、
イニエスタの才能に関する記事でも言及しているように、この可動域が大きいほど、身体の向きを変えなくても様々な方向にパスを送る事ができます。
以前、このブログではインサイドキックの才能はこの動作が司っていると解説しましたが、ボルトはこの動作動に関しても非常に優れています。
(ボルトの股関節の外旋可動域)
画像を見れば、足を伸ばした状態でつま先と膝を完全に横方向へ向ける事ができている事がわかります。
おそらく、中村憲剛選手や本田圭佑選手の持つ股関節と同程度の可動生は確保されているでしょう。
これだけ股関節が自由に回転するならば、練習を積めば積むほどパス技術はどんどん向上していくはずです。トレーニングを続けさえすれば、ボルトはすぐにプロレベルパス技術も身につける事ができるはずです。
🔴ボルトはサッカーでも確実に天才。しかし、おそらく彼は大成しない。
ウサインボルトはサッカーに必要とされる動作の多くをこなす事ができる、優れた‘‘関節’’を持っており、世界一のスピードや身長を考慮しても、明らかにサッカーでも天才の部類に入ると思います。
しかし、おそらく彼は選手として大勢はしないと見ています。その理由は、世界中のスカウトや指導者が、彼を単にスピードがあるというだけで、『高速ウインガー』として起用しようとしているからです。
🔴誰も知らないウインガーの才能
サッカー選手として必要な才能を数多く揃えているボルトですが、実はその才能はセンターフォワードとしての物が多く、世界中の指導者が起用を検討している『ウインガー』としての才能は、実は持ち合わせていません。
それどころか、ウインガーとしては『致命傷』と言える身体の構造が、ボルトには備わってしまっています。
それは、
重心がつま先にあること。
以前の記事で言及しているように、重心がつま先にあると、高速ドリブラーには絶対になれないという身体的法則が存在することが独自研究によって発見されました。
どれだけ訓練を積んでも生まれながらにドリブラーになれない選手が確実に存在するわけですが、ウサインボルトの身体は、まさにこのパターンにぴたりと当てはまってしまうのです。
公開されている映像を全てチェックしても、ボルトがスピードを生かしてDFを抜き去るシーンは一度も存在しないのはおかしいと思いませんか?
それは偶然ではありません。彼の身体には、『爪先重心』というドリブラーには致命傷と言える構造が備わっている。実は、世界に名だたるウインガー達の中で、重心がつま先にある選手など1人も存在しません。
にもかかわらず、彼の周囲の関係者のほとんどは、
足が速い=ウイング
と、非常に安易なイメージで彼をサイド起用しようとしています。
だから、私はボルトはサッカーでも天才であるが、周囲がその起用法を間違えているため耐性しない。
いずれにしろ、これだけの才能を持ったウサインボルト、誰かが『ボルトの才能はドリブルではない』と言うことに気がつき、最適な起用法を見つけ出してほしいと思います。