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サッカー界で“才能”と言われるものの全てを解明し、世界一のトレーニング理論を作ろうとする記録

全てはゴールを奪うために。『進撃のY』矢部さんの半年間

      2020/04/01

土肥です。 今回の記事では、YouTuberの矢部さんが海外クラブのトライアルを目指すにあたり、出国前に半年間行って来た肉体改造について解説していきます。

単に身体を鍛え混むのではなく、特殊なトレーニングによって身体の構造を完全に書き換えてしまう事で、ドリブルのキレとシュートに関して大幅な改良を狙いました。

その結果、誰の目から見ても明らかな変化が確認できるほどに、大きく改善する事ができたのではと思います。

『ドリブル向きの身体』というモノが存在する

まずはじめに、『ドリブルのキレが出ない』という彼の弱点から手をつけました。 一般的に『沢山ボールに触れればドリブルは上手くなる』と思われていますが、実はドリブルという技術は、

生まれ持った身体の構造次第で 向き不向きがはっきり別れる特殊な技術です。

つまり、矢部さんの身体にその”ある構造”を不可させてしまえば、ドリブル技術はすぐにでも大きく向上します。

この話を聞いた時には、彼も『どー言う事だ??』と半信半疑な様でしたので、論より証拠、その場で身体の構造に手を加え、その前後の変化を体験していただきました。

その時の動画が、矢部さんが以前に出してくれた動画となります。

動画:ドリブル専用の身体に改造されてしまいました。



ここからは、実際に
彼の身体に何をしたのか?について詳しく解説します。

ドリブラーの身体へ改造、身体の様々なパーツを後ろ側へ

 まず一つ目に、彼の身体の様々なパーツを身体の後ろ側へ下げる肉体改造を行いました。肩の位置や顔の位置を以前の位置よりも後ろ側へ下げることによって、身体の重心が少しだけ後ろ側へ下がります。

重心の位置が後ろへ下がると、

ボールを持ちやすい位置も、それと並行して下がっていくのです。


(重心が下がった分ボールを扱う位置も後ろに)

矢部さんの動画では、それを『ドリブラーの身体』と表現していましたが、世界に名だたるドリブラーは皆、身体のパーツが一般選手よりも後ろ側に付いている傾向があります。

この構造により、よりボールを自分の身体から離さずにドリブルをすることが出来る。

彼らのドリブルは、しばしば『ボールが足に吸い付いて居る様だ』と表現されますが、実は、こう言った構造が大きく貢献しているのです。

身体の近くにボールを置くと、ドリブルスピードが上がる

また、身体の深い位置からボールにタッチするだけで、足を地面に着く場所が加速において理想的なポジションになるため、ドリブルスピードは自然とアップします。


(深い位置でタッチすると)

(身体の真下に足をつける)

(走りのフォームと同じ) 


ちなみに、現在のクリスティアーノ・ロナウドは昔の様に高速ドリブルを多用しなくなりましたが、実は、ロナウドは今述べた様な身体の構造を、加齢と共に失っています。

彼のプレーから後続ドリブルが減ったのは『スピードが落ちたから』とか、『プレースタイルを変えた』とか、様々な専門家の意見はあるでしょう。しかし私はもっとも根本かつ本質的原因はここにあると確信しています。

短い動画を作りましたので、興味のある方は確認いただきたく思います。 今と昔とでは、ロナウドがボールを触る位置は全くと言って良いほど異なります。



矢部さんのトレーニングでは、この逆をやったのです。

彼の身体を、『マンチェスターU時代のロナウドの構造に寄せた』と言うとわかりやすいかも知れません。

爆発力を生み出す体幹の硬さ

近年のサッカー界のトレーニング理論には全身の柔軟性を重視する風潮がありますが、サッカーという競技を行う上では、実は筋肉は柔らかい方が良い部分と、硬い方が良い部分があります。

矢部さんの場合、以前の動画を見てすぐに全身の柔軟性が高すぎる事がわかりました。

全身の筋肉が柔らかすぎると、地面から適切に反発をもらえなくなってしまうため、動きの爆発力が低下します。

矢部さんの身体は、ストレッチを入念にしすぎており、地面の反発を得られないパンクしたボールの様な状態だったのです。

そこで、トレーニングを行う数週間前に準備として、あるメッセージを送りました。それは。


体幹部のストレッチをしない様にしてください。


と、 体幹部をどれだけ固められるか?は地面からの反発をどれだけ効率よく受けられるかに大きく影響します。

それだけでなく、ドリブル中のターンや急ストップの際にどれだけ身体をぶらさずに『バチッ』と止まれるかにも大きく関わります。

今回の動画から、矢部さんの動作全体に瞬発力が出たのがわかるかと思います。 適切な部位の柔軟性は適切な動きを作り、適切な部位の硬さは適切なキレを生み出すのです。

『シュートがDFに防がれる』を改善

矢部さんからは『シュートを打てれば良いシュートを飛ばせるが、DFに弾かれる事が多いので、何か身体の構造から修正できるものはありませんか?』という相談を受けました。

シュートがDFにカットされたり、DFに当ててしまうというのは、一般的に技術的な問題であるように思われがちですが、実はDFにシュートをカットされにくい身体の構造というのも存在します。

矢部さんの身体を詳しくチェックしたところ、一般選手よりも非常にシュート動作がDFに読まれやすい構造があったため、それを取り除くトレーニングを行いました。

具体的にどんなトレーニングによって身体をどう変えて言ったのか?以前に開催した授業の中で、その部分を題材とした回があったので、その時の音声を公開します。

授業音声:矢部さんはシュートをカットされないために何をしたのか?

五分ほどの音声です。(クリック後、再生までに数秒かかります)

以下の資料を見ながら音声を聞いていただければ、相手DFにシュートが阻止されにくい身体の構造とその作り方がわかります

【音声用資料】 (スタート時)

(3ヶ月後)


(メッシ)

全てのトレーニングは、ゴールを奪うため

今回ご紹介したのは、矢部さんが取り組んできたトレーニングの中でも、特にメインとなったモノです。

これらのトレーニングは、それぞれ違った目的を持つように見えますが、全ては彼の

『5試合に1点くらいしか取れないので、とにかくゴール数を増やしたい』

というたった一つの目的を達するために行ったものです。

もちろん、これらのトレーニングが試合の得点力にどれほど反映されたかを確認するのは困難ですが、一つの事実として、矢部さんは今期のプレシーズンで420分出場で4ゴール(おおよそ1試合1点ペース)を上げています。

その得点力が評価され、今回海外リーグのあるクラブと契約を結ぶ事ができました。

しかも、彼はyoutuberとしての活動を完全に伏せた状態でトライアルを通過しています。クラブの監督も、会長も、彼がYoutuberである事はクラブの誰も知りません。

youtuberとしてではなく、サッカー選手としてクラブが評価してくれた事は、彼自身も大きな自身を得る事ができたのではないでしょうか。

今、彼は『この方向で間違いない』と、さらに多くのトレーニンングを積み、リーグ開幕を待っています。

コロナによる中断などで、今期のサッカー界はどうなるか全くつかむ事ができませんが、どんなシーズンを迎えるにせよ、今後の彼の活躍にぜひご注目ください。

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