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サッカー界で“才能”と言われるものの全てを解明し、世界一のトレーニング理論を作ろうとする記録

スムーズな移動には上半身の固定が不可欠

      2023/07/23

体幹トレーニング。長友佑都選手の推奨によってサッカー界にもこの単語が広く認知されました。

今では様々なクラブがフロントブリッジ等の体幹トレーニングを取り入れ、今更誰かがその重要性を解く必要は無いものと思われますが、具体的に身体のどの部位をどれほど、そして何のために鍛えるのかを完全に把握してトレーニングに取り組むか否かによって、そこから生まれる競技パフォーマンスは全く異なってきます。

サッカーのプレーのほとんどは‘‘移動’’である

走る、止まる、ボールを奪う、突破する、DFを交わす、サッカーの試合中に行われる動作は、キックを覗くとほとんどの場合で‘‘移動’’の一貫に数える事ができます。

この『移動』を行う時、単に進行方向へ向かって脚を踏み出せば動作が完了するかと言えば、そうではありません。

走り出した下半身にしっかり全身が付いてく様、上半身を固めておく必要があります。

上半身と下半身とでは、移動の方法が全く異なる

下半身が進行方向へ向かって走り出したとしても、上半身がしっかり下半身に接続されていなければ、自分で走ることのできない上半身は移動する事ができません。下半身は自身の機能で移動ができるものの、地面と接触しない上半身は自力で移動ができないからです。

上半身は適切に下半身に固定される事で、初めて移動を行う事ができる。

・自分で移動する下半身
・下半身にしがみ付いて移動する上半身

この前提知識を持つだけで、『体幹』と一言に言っても、特に重点的に強化しなくてはいけない箇所はどこなのか?自ずと答えは見えてきます。

以下の画像を見てください。

テコの原理を踏まえれば、適切に上半身を下半身に固定するためにAエリアの強化が特に重要であることはすぐに解ります。

上半身と下半身の接続部分が貧弱であれば、方向転換のたびに上半身は大きく揺さぶられ、全身の移動に時間的ロスが生まれます。

つまり、全ての動作が遅くなってしまう。

また、この事を考慮すれば、下半身から離れた『C』のエリアが重くなればなるほど、上半身の固定、つまり身体全体の移動は不自由になる事もわかります。

一流選手の身体

一流選手の身体を観察してみると、移動に優れた選手は皆くびれの少ない筒型の身体をしている事がわかります。日本人選手の中で特にこの傾向が強いのは、長友選手と、久保建英選手です。


(胸からストンと落ちた完全な筒型体型)


(アザール も理想的な筒型形状を持つ)

ちなみに、サッカー選手が筋力トレーニングに取り組み始めると、多くの場合で肩、腕、胸部、つまり『B』と『C』のエリアを重点的に鍛える傾向がありますが、

肋骨等様々な骨が複雑に入り組んでいる『B』『C』エリアは元々非常に高い強度を誇り、外部からの衝撃で体感部が曲げられてしまう事はほとんどありません。

移動の際に揺れてしまったり、選手との衝突の際にぐにゃりと曲げられてしまうのは、背骨以外の骨組みを持たない『A』の部分なのです。

もちろん、これは『B』『C』エリアのトレーニングが不必要と言っているのではありませんが、『A』エリアのトレーニングの重要性は、中でも格段に高いという事です。

体幹トレーニングは、上半身をしっかり下半身に固定するために行う

まとめると、サッカー選手は効率の良い移動を行える身体を持つ事が非常に重要であり、『効率の良い移動』は適切な動作と、適切な固定によって作られます。

『体幹』と総称されるトレーニングは、上半身を下半身に固定する非常に重要な役割を支えており、複雑な骨組みを持たない『腹部』はその重要性が特に高い。

移動に優れた選手が皆胸からストンと落ちた筒型体型担っているのは、決して偶然ではなく、非常に大きな機能的価値があるのです。

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